同じ歯でも「抜く」「残す」の判断が違うのはなぜ?
2026年10月01日その他
同じ歯でも「抜く」「残す」の判断が違うのはなぜ?
「以前の歯医者さんでは抜いたほうがいいと言われたのに、別の歯医者さんではまだ残せると言われました。」
歯科医院では、このようなご相談を受けることがあります。
実際、同じ歯を診ても、歯科医師によって「抜歯したほうがよい」と判断する場合と、「もう少し残してみましょう」と判断する場合があります。
では、なぜこのような違いが生まれるのでしょうか?
明らかに抜歯が必要な歯ばかりではありません
もちろん、歯が大きく割れている、保存することが難しいほど歯周病が進行しているなど、抜歯が必要と考えられるケースもあります。
一方で、
- 根の治療をすれば残せる可能性がある
- 歯周病の治療によって状態を改善できる可能性がある
- 一部が大きく欠けているものの、まだ利用できる部分がある
など、「残すこともできるし、抜歯するという選択肢もある」というケースもあります。
こうした場合には、歯科医師が何を重視するかによって判断が変わることがあります。
「今」を重視するのか、「将来」まで考えるのか
例えば、現在の痛みや腫れをできるだけ早く解消することを重視する場合と、今は症状がなくても、数年後・10年後にどうなる可能性があるのかまで考えて治療方針を決める場合では、選択が変わることがあります。
また、その歯を残すことによって、将来インプラントなど別の治療を行う際に影響が出る可能性について考えることもあります。
反対に、「今後いつまで使えるかは分からなくても、1日でも長く自分の歯を使うことに価値がある」と考えて、できる限り保存を試みるという考え方もあります。
つまり、「抜く先生=歯を大切にしていない」「残す先生=優れた先生」という単純な話ではありません。
その歯の状態だけでなく、患者さんの希望や年齢、全体のかみ合わせ、今後必要になる治療など、さまざまなことを考えて判断する必要があります。
「あと何年もちますか?」と聞かれても、正確には分からない
患者さんから、
「この歯はあと何年もちますか?」
と聞かれることがあります。
しかし、残念ながら、歯が「あと何年もつのか」を正確に予測することはできません。
治療によって状態が安定することもあれば、数年後に再び問題が起こることもあります。
だからこそ、治療を決めるときには「何年もつか」という数字だけではなく、
「この歯を残すことに、今の自分にとってどんな意味があるのか」
を考えることが大切だと思います。
抜く・残すだけではなく、「なぜ」を聞いてみる
歯を抜くのか、残すのか。
その判断に迷ったときには、
「なぜ抜いたほうがいいのでしょうか?」
「残した場合、どんなメリットやリスクがありますか?」
「残すとしたら、今後どのような治療や管理が必要ですか?」
と、担当の歯科医師に聞いてみてください。
大切なのは、「抜く・抜かない」の二択だけではありません。
なぜその判断になるのかを理解したうえで、自分自身が納得して治療を選ぶこと。
それが、長く自分の歯を守っていくために大切なことだと考えています。
当院でも、できるだけ長い目で見て、その患者さんにとって「その歯を残すことにどんな意味があるのか」を考えながら、治療方針をご相談するようにしています。
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