オーラルフレイルとは?
2026年08月26日その他
オーラルフレイルとは?
お口の小さな衰えを見逃さず、健康寿命を延ばしましょう
「最近、硬いものが食べにくくなった」
「食事中にむせることが増えた」
「以前より食べる量が減った」
「言葉が聞き取りにくいと言われるようになった」
年齢を重ねると、このような変化を感じることがあります。
こうしたお口のささいな衰えを「オーラルフレイル」といいます。
オーラルフレイルは、単に「歯が悪くなる」ということではありません。
食べる、飲み込む、話すといった、お口のさまざまな機能が少しずつ低下していく状態です。
そして、この小さな変化をそのままにしておくと、食事や栄養、体力、社会とのつながりなどにも影響する可能性があります。
一方で、オーラルフレイルは早い段階で気づいて対策することが大切です。
今回は、オーラルフレイルの症状と、日常生活でできる予防について詳しくご紹介します。
オーラルフレイルとは?
「フレイル」とは、年齢を重ねることによって、心身の活力が低下した状態をいいます。
その中でも、特にお口の機能に関する衰えが「オーラルフレイル」です。
日本歯科医師会では、オーラルフレイルについて、滑舌の低下、食べこぼし、わずかなむせ、噛めない食品の増加など、ささいな口腔機能の低下から始まると説明しています。
最初は「少し食べにくいかな」「年齢のせいかな」という程度の変化かもしれません。
しかし、こうした小さな変化を見逃さないことが重要です。
こんな症状はありませんか?
次の項目に当てはまるものがないか、一度チェックしてみましょう。
- 食べ物をこぼすことが増えた
- 硬いものを避けるようになった
- 食事に時間がかかるようになった
- お茶やお味噌汁でむせることがある
- 飲み込むときに苦労することがある
- 滑舌が悪くなった、言葉が聞き取りにくいと言われる
- 口が乾きやすくなった
- 食べる量が減ってきた
- 肉や野菜など、食べにくい食品を避けるようになった
- 入れ歯が合わず、しっかり噛めない
このような変化がいくつか重なっている場合は、口腔機能が低下している可能性があります。
なぜオーラルフレイルが問題なのでしょうか?
お口の機能は、「食べる」だけではありません。
食べ物を取り込む、噛む、飲み込む、話す、味わうなど、毎日の生活に欠かせないさまざまな役割があります。
厚生労働省も、口腔機能は栄養摂取だけでなく、人とのつながりや社会参加、生活の質にも関係するとしています。
例えば、歯が悪くなって硬いものが食べられなくなるとします。
すると、
硬いものを食べなくなる
↓
柔らかいもの中心の食事になる
↓
食べられる食品の種類が減る
↓
栄養バランスが崩れる
↓
筋力や体力が低下する
↓
さらに活動量が減る
という悪循環につながることがあります。
また、話しにくくなったり、外食を避けたりすることで、人と会う機会が減ってしまうこともあります。
つまり、お口の小さな衰えが、全身の健康や生活の質にも関係しているのです。
オーラルフレイルを予防するためにできること
では、オーラルフレイルを予防するためには、何をすればよいのでしょうか。
大切なのは、特別なことを一つだけ行うのではなく、「歯を守る」「噛める状態をつくる」「お口を動かす」「しっかり食べる」ことを組み合わせることです。
① 歯をできるだけ健康に保つ
まず基本になるのが、むし歯や歯周病を予防し、できるだけ自分の歯を長く使える状態に保つことです。
毎日の歯磨きだけでなく、定期的な歯科検診を受けることも大切です。
歯周病は痛みがないまま進行することもあるため、「痛くないから大丈夫」とは限りません。
定期的にお口の状態を確認し、問題があれば早めに対処しましょう。
② 「噛める状態」を維持する
歯が残っていても、痛みがあったり、噛み合わせに問題があったり、入れ歯が合っていなければ、十分に噛むことができません。
特に、
「入れ歯が動く」
「入れ歯が痛い」
「以前より噛みにくい」
という場合は、そのまま我慢しないことが大切です。
入れ歯を調整したり、必要な治療を行ったりすることで、食べやすさが改善することがあります。
**「何本歯が残っているか」だけでなく、「実際にしっかり噛めているか」**という視点が重要です。
③ お口の体操を取り入れる
歯だけでなく、舌・唇・頬などのお口周りの筋肉も、年齢とともに衰えることがあります。
そのため、お口をしっかり動かすこともオーラルフレイル対策になります。
例えば、
「パ・タ・カ・ラ」と発音する
「パ」「タ」「カ」「ラ」を、はっきりと発音してみましょう。
それぞれ口唇や舌などを使うため、お口の運動になります。
舌を動かす
舌を前に出したり、左右に動かしたり、口の中で動かしたりすることも、お口の機能を維持するための運動になります。
頬をふくらませる
口を閉じて頬をふくらませたり、すぼめたりする運動も、お口周りの筋肉を使います。
唇・頬・舌を動かす体操や、飲み込む力、噛む力、滑舌を維持するための口腔体操があります。
ただし、すでに強いむせや飲み込みの問題がある場合には、自己判断で無理にトレーニングするのではなく、歯科医院や医療機関に相談しましょう。
④ よく噛んで、いろいろなものを食べる
「噛む力を鍛えるために硬いものを無理して食べる」という意味ではありません。
大切なのは、現在の自分の口の状態に合った食事を、できるだけいろいろな食品から摂ることです。
肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質を含む食品や、野菜などもバランスよく摂ることを意識しましょう。
硬いものが食べにくい場合は、食べやすい形に調理することも大切です。
「噛めないから食べない」のではなく、どうすれば食べられるかを考えることがポイントです。
⑤ よく話し、よく笑う
お口は「食べるため」だけの器官ではありません。
人と話したり、笑ったりすることも、お口の機能を使う大切な活動です。
家族との会話、友人との食事、趣味の集まりなど、できる範囲で人との交流を続けることも大切です。
厚生労働省も、口腔機能が社会参加や人とのつながり、QOLに関係するとしています。
「食べる・話す・笑う」ことを楽しむことも、お口の健康につながります。
「年齢のせいだから仕方ない」とあきらめないでください
オーラルフレイルの怖いところは、最初の変化がとても小さいことです。
「最近ちょっとむせる」
「硬いものを食べなくなった」
「食事の量が少し減った」
という程度なので、「年齢のせいかな」と、そのままにしてしまいがちです。
しかし、早い段階で気づいて適切な対策を始めることが重要です。
日本歯科医師会も、オーラルフレイルは早期に発見し、適切に対応することで改善が期待できる状態として紹介しています。
歯科医院でできるオーラルフレイル対策
歯科医院というと、
「虫歯を治すところ」
「歯周病を治療するところ」
というイメージが強いかもしれません。
もちろん、それらは歯科医院の重要な役割です。
しかし、それだけではありません。
これからの歯科医療では、「歯を治す」だけでなく、「お口の機能を守る」という視点も重要です。
歯科医院では、
- むし歯や歯周病のチェック
- 歯を失っている部分の確認
- 入れ歯の状態や噛み合わせの確認
- 噛む機能の確認
- 舌や唇などのお口の動きの確認
- むせや飲み込みについての相談
- 必要に応じた口腔体操のご案内
などを行うことができます。
「最近、少し噛みにくくなった」
「むせることが増えた」
「入れ歯が合わない」
といった小さな変化でも、遠慮なくご相談ください。
まとめ|お口の健康は、健康な毎日につながります
オーラルフレイルは、年齢を重ねる中で起こるお口の小さな変化です。
しかし、「歳だから仕方ない」と放置する必要はありません。
大切なのは、
・歯をできるだけ健康に保つ
・しっかり噛める状態を維持する
・舌や唇などのお口を動かす
・バランスよく食べる
・よく話し、よく笑う
・定期的に歯科医院でチェックする
ことです。
お口は、食べるためだけのものではありません。
食べる、話す、笑う。
そして、人とつながり、毎日の生活を楽しむために欠かせない大切な器官です。
「最近、ちょっと噛みにくいな」
「むせることが増えたな」
そんな小さな変化を感じたら、それを年齢のせいにしてしまわず、一度お口の状態を確認してみましょう。
くすやま歯科クリニックでは、むし歯や歯周病の治療だけでなく、できるだけ長く自分の歯で食べ、健康に生活していただくためのお口の健康管理にも取り組んでいます。オーラルフレイルに対する取り組みを一緒に日々、考えていきたいと思います。
気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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